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[報告] おしいれのぼうけん

更新日:2022年7月24日

2022年6月26日(日)江戸川区スポーツセンター にて、人形劇団ひとみ座「おしいれのぼうけん」を鑑賞しました。


松本美里さんによるひとり芝居。音楽も含めて一人で演じなければならないという制約を逆手に取り、演出の工夫が随所にある、素晴らしい作品でした。


子ども劇場での記念すべき初公演ということで、前日から眠れないくらい緊張していたそうですが、そんな風にはまったく見えず、スタイリッシュな舞台を背に、開場時から子どもたちをお出迎え。


イントロダクションは、がくぶち屋から始まります。お店の商品紹介の流れから、一人でどうやって音を出しているのか、その仕掛けを違和感なく説明し、人形たちがようやくお目見えしたところで、歌とともに物語が始まります。怖かった時の対処法も教わり、子どもたちはこの時点でもう、お話の世界へ完全に引き込まれています!


登場人物が多いさくら保育園のシーンは、関節がたくさんある置き人形で、園児たちが椅子に座ったり、片足で立ったり、寝そべったり。美里さんはいくつもの声を使って、園児たちの会話を進めます。


さとしとあきらは、磁石を活用して、手におもちゃを持ったり、二人で手を繋いだり。

ねずみばあさんが登場してからは、まさに冒険活劇。

恐怖に対する子どもたちの反応は様々。手で目を覆ったり、お母さんのお膝へ乗ったり、隣の子とくっついたり。でもみんな、お話の続きに興味津々。物語と人形と演者の表現力があるからこそですが、怖いと感じるのは、子どもたちの想像力の結晶なのです!


演者は一人なので、場面転換に時間を要するのだけど、その間美里さんは喋りません。次は何が起きるのだろう、とワクワクしている子どもたちは、その時間を待てるのです。

そして大人の私は、現れた断崖絶壁に度肝を抜かれました(笑) ステージにパラソルが必然な理由は、マーケットのお店だからという理由だけではなかった!


さとしとあきらは冒険を通して、相手の思いに気付き、一回り成長を遂げました。保育園の先生が考えを改めるのも、このお話のいいところの一つ。

怖かったものが、楽しいものへ。そういえば子どもの頃、押し入れに入るのは好きだったな。


物語の最後、冒頭と同じ歌で締めくくるのですが、この歌詞と物語が見事にシンクロしていて、ラストシーンの美しさは、感動に包まれました。


終演後、子どもたちから美里さんへの質問コーナー。「お人形や小道具は、どうやって作っているの?」と言った素朴な疑問に、実物を交えて、丁寧に教えてくださいました。


撤収後は、美里さんとスタッフでの感想会。この演出に至るまでの創造の過程や、ひとり芝居だからこその苦労をお聞きし、クリエイティブな仕事の大変さに感銘を受けました。

「人形劇はがくぶちの中で行なわれるもの」という概念を取っ払い、自由な発想で演出プランを練った結果、再びがくぶちに押し込めるところにたどり着いたところが素晴らしいと思いました。


ひとり芝居で操演できる人形の大きさにすると、定員50名で観るのが最適なこの作品。子どもたちの反応を見ながら取り組めるこの作品が、今一番やりたいことの一つなんだというお話に、心打たれました。


そして、素敵な版画をプレゼントいただきました。


この作品の脚本・演出をされた西上寛樹さんと、出演の松本美里さんによる「おしいれのぼうけん」についての対談がこちらに掲載されています。鑑賞された方は、ぜひご一読を。


来場いただいた皆様には、余ったチラシで作った紙袋に、今後の活動案内やアンケート用紙を入れて配布いたしました。


また、会場隣では「ねずみたたき ~おしいれのぼうけんver.~」を開催。これが意外と、地味に楽しいんです!


江戸川子ども劇場では、9月4日(日)に人形劇団ひとみ座の稽古場見学へ行きます。「9月0日大冒険」と「ひとみ座幼児劇場」の二作品の稽古風景を見学した後、人形の倉庫や工房などを探検します。この日も松本美里さんにお会いできる予定です。

さらに10月2日(日)、同じく人形劇団ひとみ座の「ふしぎ駄菓子屋銭天堂」を鑑賞します。


そして松本美里さんは8月、「エリサと白鳥の王子たち」にご出演されます。詳細は公演ホームページを参照ください。

日生劇場ファミリーフェスティバル2022

ダンス×人形劇「エリサと白鳥の王子たち

日時:8月6日(土)~7日(日) 両日とも 10:30開演、14:30開演 の2ステージ

場所:日生劇場



参加者アンケートより

  • こわかったけど、おもしろかった。

  • とてもかわいい人形たちでした。ネズミばあさんはこわかったです。

  • ねずみばあさんがこわかったけど、2人がゆうきでのりこえたところがかっこよかったです。

  • とても見ごたえがあり、大満足でした!

  • 額縁屋の設定のために置いていたと思っていた額縁が、劇中の小道具として全部使われてて驚いた。

  • とても楽しそうに観ている子どもの姿に感動しました。とても楽しい時間を過ごせました。

  • ギミックがこっていて良かった。 演者の実力が高い!

  • 細かい所まで表現されていて、本で読むのとはまた別のお話のように楽しめました。人形もとてもかわいかったです。

  • 子どもの逞しい勇気と考え方を尊重することを学びました。世界観の素敵さに、人形劇団ひとみ座さんの劇をまた観たいです!

  • 子どもの頃から大好きな作品が、3次元で表現されるというだけで、とてもワクワクしていました。いろいろな額縁の組み合わせで、世界が瞬時に変化する様に驚きました。みさとさんの様々な声の使い分けがすごかったです!

  • 初めて人形劇を観にきました。子どもたちにこのような経験をさせてあげられて本当に良かったです。我慢の日々がこうして少しずつでも緩和されてきたことを嬉しく思います!

  • とても楽しめる作品でした。一人での人形劇にもかかわらず、場面転換もうまくできていました。

  • 絵本とは違うワクワク感、それに額縁を使ったお芝居が面白かったです。


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