[報告] 忍者修行 in 葛西
- 広報
- 3 日前
- 読了時間: 10分

■屋内での修行で、共通の忍者の世界観を作る
受付を終えたら、風呂敷を巻いて、忍者姿へ変身!
15組の幼児親子と小学生41名。幅広い年齢層が一堂に会し、まずは道場内での忍者修行が始まります。パフォーマンスとともに、6人の忍者が登場します。
むらさきなすび:北島尚志さん
えだまめもぐもぐ:平川恭子さん
とんとんとんがらし:鈴木隆太さん
たまごのきみこ:さとうりつこさん
さくらのえびぃ:藤井直美さん
あおぞらひろし:上道凌さん

パフォーマンスの中で、「忍者は仲間を裏切らず、仲間とともに行動する」「忍者は常に技を磨く」など、忍者の心得が伝授されます。
最初は、迫りくる長剣を伏せたり跳び越えたりしてよける修行。忍者となった子どもたちは、ぎゅうぎゅうに身を縮め、タイミングよく飛び跳ねて長剣を跨ぎ、これを見事にこなします。お見事であった!
次は五感を使った修行。まずは目から。忍者が言ったものを道場内にて瞬時に見つけ出し、それを皆で指差します。「時計!」、「天井!」、言われたものを次々と指差していきます。そして「つまようじ!」と言われると、目を凝らして子ども忍者たちが探し出します。
次は耳の修行。4人の忍者が同時に食べ物を言うので、それが何かを当てる修行。最初は難しいけど、当てると人数が減ってくるので、だんだん正解が増えてきました。
人それぞれだった忍者のイメージが、修行の積み重ねによって、共通の世界観が徐々に作られていきます。
さらに、忍者の合言葉「山・川・天・地・光」を覚えます。音を立てずに歩く・走る・飛び跳ねる、敵に見つからないように隠れる・変身する、速やかに集合する。合言葉のそれぞれの意味を理解して、動けるようになりました。
次は、受付で渡された暗号に従って、仲間忍者を探し出す「仲間あつめ修行」。集団の中から仲間忍者を探し出し、チームへと分かれていきます。ここからは、チームの仲間と助け合って修行を進めます。敵に見つかりそうになった時のために隠れられるよう、チームごとに一つのモノに変身する修行を行ないました。
■屋外での修行へ!(公園占有申請を行ない、実施しております)
チームごとに屋外へ移動し、ここからは滝野公園にて修行に挑みます。まずは、屋内ではできなかった「天!」の合言葉を発動し、なすびから見えないところに10秒で全員隠れます。見事に隠れたところで、「光!」の合言葉で、なすびのもとへ再び10秒で速やかに集合しました。
続いては、「からくり屋敷潜入修行」。年中・年長・小1・小2~6の4チームに分かれ、からくり屋敷を作り、屋敷内に巻物を隠します。その後に、相手のからくり屋敷へ潜入し、隠された巻物を見つけ出す修行です。
「からくり屋敷」という言葉から、どんなものを想像するか。チームで意見を出し合います。「レーザーが張り巡らされていて、レーザーに触れるとやられちゃう。」という意見が挙がり、「それを作ってみよう!」ということで、木と木の間をスズランテープで張り巡らせて、レーザーを表現します。巻物を草むらや木の上に隠す子もいれば、「巻物が見つからないように、ダミーの巻物を作ろう!」と作り始める子も。それぞれが「からくり屋敷」の物語を作り、子どもと大人が一緒になって、屋敷を作り上げました!

そしていよいよ、相手陣地へと一直線に乗り込みます。敵陣のレーザーをかいくぐりながら、巻物を次々と見つけ出します。見つけ出した巻物を没収してしまう黒忍者が途中で現れると、「地!」の合言葉で、からすやお地蔵さんなどに変身して、黒忍者をやり過ごします。箱いっぱいに見つけ出した巻物を持ち寄り、「いくつ見つけたよ!」「隠した巻物が見つからずに残ってたよ!」と、お互いの健闘を称えました。
最後は恒例、大人 vs 子どもの「旗取りちゃんばら修行」!
ルールは簡単。新聞紙を丸めた剣を武器に相手陣地へ侵入し、相手の旗を取って、むらさきなすびへ先に届ければ勝利となります。斬って良いのは膝から下のみ。斬られたらしゃがんで動けなくなりますが、味方の忍者がタッチすると復活できます。
大人チーム、子どもチーム、それぞれ作戦を立て、「エイ エイ オー!」と気合いを入れます。両軍入り乱れた結果、今年は大人チームの1勝1分でした!

すべての修行を終えた子ども忍者たちは、その証として、忍者頭から免許皆伝の巻物を受け取りました。最後に巻物をもらえたことも、大きな喜びだったようです。
忍とは 耐えることなり。
忍とは 己に厳しきことなり。
忍とは 他に優しきことなり。
忍とは 常に技を磨くことなり。
力は己のなかにある。
参加者アンケートより
けんであそぶのがたのしかった。ぜーんぶたのしかった。
ぼうをかくしたのがいちばんおもしろかった。たたかったのもおもしろかった(年中)
まきものさがしやチャンバラが良かったです。(小1)
たのしかった。もっとあそびたかった。またくるよ。(小1)
にんじゃたちの名前がおもしろかったです。あと、からくりやしきをつくって、あいてのところにもせんにゅうして、まきものをさがすのがたのしかったです。さいごのチャンバラもたのしかったです。またにんじゃしゅぎょうに行きたいです。(小3)
まきものさがしがたくさん見つけられてよかった。みんなで意見を出しあって、すごくたくさんテープをはりました。(小3)
からくりやしきをつくったり、くろ色のにん者をだましたり、チャンバラをしたりして、とても楽しかったです。(小3)
とてもワクワクして楽しかった。 思った以上に楽しくて、次回もまた来たいと思った。(小5)
他のチームと対戦して、からまって動けなくしたり、作戦を立てて実行するのが楽しかったです。ちゃんばらもけんを使って遊ぶのが楽しかったです。最初は知らない人だらけで少しきんちょうしたけど、やってみると楽しかったので、やってよかったと思いました。次やるときも参加したいです!!(小6)
子どもがとても楽しそうで、参加して良かったです。子どもが自分で考えてカラクリを作ったり、積極的な姿が見られて良かったです。
忍者修行は子どもの心を楽しませてくれます。娘が忍者になりたいと言っています。また子どもだけでなく大人も楽しめます。ありがとうございました。
大人と子どもが対等な目線で遊ぶことができたのが良かったです。大人も楽しかったです。
■大人だけの秘密の忍者修行 ~忍者修行の舞台裏~
午前中は、中学生2人を含む60代までの大人15名のスタッフと、アフタフ・バーバンの出演者の皆さんで、大人だけの秘密の忍者修行を行ないました。まずは二人組になってお互いの気を祓った後、全員で輪になって、グータッチをわずか3秒(!?)で一周回します。その次は、ジャンケンをしてあいこになったらくっついて動くゲーム。最後は全員がパーのあいこになって、13年目の一体感を感じました。
次は、普段はあまり話をしないメンバーで5つのグループに分かれて、2分間で共通点探しをします。この目的は、見つけた共通点の数を競うことではなく、とにかくお互いのことを話すこと。年代や住んでいる地域が違っても、何かと共通点が見つかるものです。
今度は3つのグループに分かれて、オノマトペが書かれた紙が配られます。一人が何が書かれているかを見ずに頭の上に掲げて、他のメンバーがヒントを言って、何が書かれているのかを当てるゲームです。これだけでも難しいけど、さらに難易度アップし、他のメンバーは一切言葉を使わずに、ジェスチャーのみでヒントを出します。「ギラギラ」とか出てくると、どう伝えれば良いのか、つい悩んじゃいます。
その次は、ジェスチャーしりとり。最初の一文字が与えられるので、そこから3つのしりとりを作り、それをチーム全員で表現し、他のチームに当ててもらうゲームです。2分間で3つの表現を作り上げ、何とか当ててもらうことができました!
大人がたっぷり遊んだところで、忍者修行について、北島さんから説明をいただきます。

忍者修行という非日常の設定を借りて、街を舞台に、子どもと大人が一緒になって思いっきり遊ぶことで、一人一人が自分の感覚・感情をたっぷり動かせて、一人一人の感覚・感情がしっかり大切にされる。人と力を合わせること、関わること、つながることの楽しさを実感する。
子どもの「言ってみたい、やってみたい、なってみたい」を実現し、あそんだーーー!を実感する。
これを実現するために、忍者修行のプログラムは、緻密に作られています。
参加する子どもによって、忍者修行に対する期待値は様々。例えば、手裏剣を投げる修行ができると思って参加する子もいるかもしれません。屋内での修行では、「今日の忍者はこんな感じなのね」と共通認識を作っていきます。
そして、「静かにしてね~」「集まってね~」と指示をするのではなく、合言葉とすることで、それも一つの遊びになる。
「仲間あつめ修行」では、各チームに必ず大人忍者が入り、子どもと大人でチームが作られます。そのチームで変身の修行などを行ない、子どもと大人が一緒に遊び合います。
また、「あれもダメ、これもダメ」と制約の多い現代ですが、心理的安全性を確保し、その制約を外していくと、子どもは自分で考え、「言ってみたい、やってみたい、なってみたい」を表現できるようになり、それを大人が拾って、さらにアイデアを出したり、具現化したり。つまり、子どもと大人のやり取りを進めることで、「これがいいね!」「それもいいね!」を見つけていきます。
江戸川子ども劇場がこのプログラムにこだわっているのは、団体の理念を体現しているからと思います。
生の文化芸術や遊びの体験を通じて育まれる感性は、「生きる土台」になると考えています。人と人が関わりあう事にこだわり、子どもと大人がともに育ち合える体験の場を、自分たちで作っています。
風呂敷の被り方を練習し、「おけいち弁当」のお弁当をいただき、公園の下見を済ませたら、受付の準備をして、子どもたちの到着を待ちました。
子どもたちの修行が終わった後、大人忍者は振り返り会を行ないます。各チームの子どもたちがどんな様子・反応だったのか、多角的に共有しました。
「巻物を隠す・探す」というシンプルな遊びを、皆でやるとこんなにも面白いんだ、ということを、改めて実感できました。ちゃんばらでは、熱狂的に集団で遊ぶことができました。「一人でも楽しいからいいや」と、人と関わるきっかけを失ってしまう危機感が強い現代、この経験がとても重要と、私たちは考えています。
ご参加いただいた皆様、怪しげな「忍者」たちが現れてもそれを受けて入れてくれる街の懐の深さ、そして NPO法人 あそび環境Museum アフタフ・バーバン の皆様に、心より感謝申し上げます。来年もやるぞー!
■忍者修行の様子が、J:COMで放送されました!
「忍者修行 in 葛西」を、J:COMの地域情報ニュース番組にて取り上げていただきました。
~ジモトって面白い~ ジモトトピックス ~台東/墨田/足立/葛飾/江戸川~
5/3(土)~5/9(金)
①月~金7:00~7:30 /土日17:00~17:30
②月~日11:00~11:30
③月~日20:30~21:00

■北島尚志さん講演会のお知らせ
「子どものからだを科学する!あそびを哲学する!」
地域子育て支援の拠点として開所している子育てひろばてくてくが「今」こそ伝えたい、子どものからだ・あそびのこと。今の子どもに関わるすべての大人たちへ向けての講演会です。前半は野井氏・北島氏の講演、後半はトークセッションとなります。
日時:2025年6月28日(土)13:00~16:00(開場12:30)
会場:武蔵野スイングホール 10階 スカイルーム(JR中央線 武蔵境駅 徒歩2分)
参加費:1,000円(当日払い、資料代として)
講師:野井真吾(子どもの体研究所所長)、北島尚志(アフタフ・バーバン創設者)
申込方法:こちらよりお申し込みください(5/12より受付開始)
定員:100名(定員になり次第〆切)
問い合わせ先:子育てひろば てくてく

Comments